6/25水夜、(株)糸編代表取締役・宮浦晋哉氏のセミナー「国内テキスタイル産地について」&ガレージショップの見学会を開催いたしました。今年(2025年)2/26水夜に一度行ったのですが、すぐに満席となり、沢山の方々から「もう一度開いて頂けませんか?」とのリクエストを頂いていたため、満を持しての2回目の実施となりました。今回も、満員御礼です。
(株)糸編の宮浦さんと言えば、ファッション業界内ではファンの多い著名人。日本全国の繊維産地を年間200~250日訪ね歩き、テキスタイルの生産の現場を見て、ものづくりの素晴らしさ、奥深さを発信しておられます。元々はキュレーターとして活躍しておられましたが、産地の機屋さんの倉庫に眠る開発反やB反、知られざる逸品の数々に触れ、「これらを眠らせておくのはもったいない」と一念発起し、アパレルや服飾雑貨のデザイナーや学生の方々など向けに、2024年の秋、台東区鳥越に糸編商店ガレージショップを開店、生地の販売をスタートさせました。
素敵な生地の数々に囲まれたセミナー。参加者の皆様のテンションも上がります。

セミナーでは、北はホームスパンの岩手から、南は絹織物や綿織物の福岡まで、24の産地が紹介されました。この投稿をご覧頂いている皆様は、いくつ言えますか?
宮浦さん曰く、「全国の産地は、大きく言って昔から絹を作っていたエリアと、綿花を作っていたエリアに分けられる」とのこと。「前者は桐生、丹後、北陸、富士吉田、八王子、福島、米沢など長繊維の産地で、山があり、寒く、雪が多い地域。後者は久留米、今治、播州、和歌山、泉州、高野口、湖東、尾州、三河、遠州など短繊維の産地で、日が良く照り、水はけが良い」(宮浦氏)。このように考えると、覚えやすいですね。
東京の2大産地、八王子と墨田についても、ご紹介頂きました。八王子は絹織物、墨田は東京ニット産地として知られ、一大消費地である東京都心に近いという地の利を生かしながら、それぞれに若い方々の産地開きやファクトリーブランド立ち上げなどの新しい動きで盛り上がっています。
一通りご説明頂いた後は、質疑応答と自己紹介タイム。受講者は、コンバーター、縫製工場、服飾資材メーカー、ご自身でアパレルやバッグ、小物雑貨のブランドを営んでおられる方々などでしたが、「日本の洋服の値段がずっと上がらないのは何故なのか?」「自社と関わりの深い産地の衰退が激しく、工場さんに後継者がいないため将来が心配」といった、アパレルファッション業界の現状を憂う声や、「産地を見に行く方法を教えて欲しい」「ファクトリーブランドを成功させるためのポイントは?」といった、今後のアクションにつなげるためのアドバイスを求める質問などが続きます。
そして、セミナー終了後は、お楽しみの生地チェックタイム!皆様が思い思いの生地に触れ、組成やものづくりの背景等についてガレージショップの方々から学んでいました。
糸編商店ガレージショップのテキスタイルは、品揃えが随時入れ替わり、日を追うごとに内容が充実してきています。営業日は不定期で、糸編商店のInstagramアカウントでお知らせしていますので、ご興味のある方はチェックなさってみて下さい。
◆糸編商店Instagramアカウント
@itohencurationstore
