ZoomUpフレンズ
代表者 | 須崎 康弘 |
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創業 | 2000年 |
住所 | 東京都千代田区岩本町2-1-20 エステックビル4F |
ホームページ | http://www.net-dental.co.jp/ |
事業内容 | 訪問歯科診療支援、訪問歯科診療総合支援ソフト「SOL」、訪問歯科診療各種ツール作成及び販売、財務コンサルティングなど、訪問歯科の導入を中心に、歯科医院全般にコンサルティングを行なう。 |
KFC : KFCクリエイテイィブスタジオを卒業されて10年になりますが、入居してからどのように成長されていったのですか?
須崎社長 : 会社設立が平成12年8月で、当初、他の会社に間借りしていたのですが、13年の初めにクリエイティブスタジオに入居し、自分たちのオフィスを持つことができました。その3年間で資金の蓄積ができ、信用力もつきました。それは非常にありがたかったですね。
13年10月には、中小企業事業団の新事業開拓助成金を得ることができました。新しいビジネスモデルで新規に事業を立ち上げたところに、かかった資金の半分を助成するというもので、500万円をうまく活用できました。当時は銀行からの融資も受けられなかったですから、クリエイティブスタジオに入居でき、新事業助成金が活用できて、その後、信用保証協会の保証が得られるようになったので、本当に助かりました。
KFC : クリエイティブスタジオに入居して、大きく展開するきっかけができたのですね。
須崎社長 : 当時はサポートが2拠点だったのですが、入居しているうちに4拠点になりました。関連医療法人の実績を作り、全国の歯科医院にPRしていこうと事業計画を立てたのです。物を作って売るのではなく、人がフィーを稼ぐので、そんなに大きくは伸びませんが、現在は全国に50数箇所まで拡大しました。従業員数もクリエイテイィブスタジオにいるときは7~8名でしたが、卒業して10年、今年3月末で105名になりました。時代の流れに合っていたのもしれません。
KFC : 歯科業界に注目されたのは、なぜですか?
須崎社長 : デンタルネットを立ち上げた勝野さん(創業当時の社長)が歯科医だったんです。今は関連医療法人の理事長をやっています。
勝野さんとはスポーツクラブで知り合い、「独立したいから手伝って」と言われ、手伝うことになったのです。私は銀行を辞めて財務のコンサルティングをやっていましたから、財務の専門家として資金集めから参加していました。勝野さん、僕、ドクターの方で出資者が5~6人、全部で1000万円を集めました。
KFC : 勝野さんがやりたかったこととは何だったのですか?
須崎社長 : 勝野さんは勤めていた歯科医院で訪問歯科診療の基盤を作った人です。当時はここまで高齢社会になるとは思いませんでした。13年前には訪問歯科診療をやっている歯科医は全体でたった2%しかいなかった。ところが今は、高齢化で要介護の訪問歯科診療をやっている歯科医は20%まで増えています。高齢化に加えて歯科医師過剰時代、新しいサービスとして訪問歯科診療が注目されてきているのです。
KFC : デンタルネットの訪問歯科診療は、どこまで広がっているのですか?
須崎社長 : 関東と関西、東北は宮城、西は広島まで進出しています。今後は九州も手がけてみたいと思っています。
KFC : どのようなビジネスモデルになっているのですか?
須崎社長 : パンフレットを作って、事前のアプローチで契約して、内覧会、口腔ケアセミナーを開いたりもします。スタートしてからは、業績に応じてフィーを頂く仕組みです。あくまでも、主体となってやるのは歯科医師で、我々はそのサポートをします。我々は医療行為ができないし、医師を派遣することもできないので、医療以外のことをサポートするのが仕事です。
KFC : サポートの依頼はどのようにくるのですか?
須崎社長 : 2つのパターンがあります。患者さんが増えているので更に事業を拡大したいというケースと、クリニックに来る患者さんが減っているので増やしたいというケースです。最近では口コミからの依頼が多いようです。サポート業務は歯科医師だけでなく、ケアマネージャーや介護しているご家族の方への対応もあり、幅広く対応しています。
KFC : 歯科医師の経理サポートもやっているのですか?
須崎社長 : 一度、「財務をみる」というサービスをやったこともありましたが、一般の会社の事務経理のサポートとは違い、甘いものではありませんでした。今は、訪問歯科診療を中心としたサポートを行なっています。
KFC : 新規顧客の開拓はどのようにしているのですか?
須崎社長 : DMを発送したり、セミナーを開いたりします。最近ではホームページをみて連絡してくださるとか、現状のコンサルティングを受けている方からのご紹介が多いですね。
KFC : 「私たちの夢は医療を通してみんなの幸せを願うこと」という企業理念がとても素晴らしいですが、どのような想いが込められているのですか?
須崎社長 : これからの高齢社会の中で必要なことを、安心のシステムとして形にして、そのサービスで社会にどう貢献できるかを考えていきたいです。
今後は、財政が大変な時代になり、歯科診療も運営が厳しくなるだろうと思います。ですから、保険以外のサービスも考えていかなければならないですね。また、高齢社会は目に見えています。健康を保つための第一歩は、食べることと運動すること。「治療」だけでなく、そういった健康を「保つ」ためのサービスも考えていかなければと思っています。
KFC : 今は国を挙げて「創業」を応援していますが、創業にあたって大切なことは何だと思いますか?
須崎社長 : 1つは常に時代を見ていくこと。時代と逆行したことをいくらやっていてもだめです。世の中のちょっと先のことを見ていくことが大事だと思います。
2つ目は、会計を遵守することです。売上利益だけでなく、キャッシュフローを見ることが大事になります。会計をきちんとしていれば、信用の積み重ねで楽になる時がきます。私たちも創業から3~4年は大変苦労しましたが、ある時を超えると楽になっていきました。内部留保が10億円あると安泰ですね。あと10年くらいかかるかもしれませんが。
KFC : 「時代の先を読む」というのは難しいことだと思いますが、何かコツはありますか?
須崎社長 : 世の中をどう見るかは、人によっても様々です。色々な人の意見を聞き、様々な角度から見て、読み解くことが大事だと思います。
クリエイテイィブスタジオに在籍していたときは、中小企業診断士の松本さんには随分とお世話になりました。事業内容に興味を示してくれて、月に一回はオフィスに寄ってくれました。そういうご支援していただける方には、どんどん相談した方がいいです。時代の流れを見るのに、自分だけでみると間違うこともありますから。
一緒に入居していた人たちとも、よく食事に行ったりしていましたよ。業種は全く違っていましたが、創業者同士での情報交換は貴重でした。
KFC : 今後の展望を教えてください
須崎社長 : 少子高齢化がさらに進展します。高齢者のためのシステムづくりと同時に、子供たちが元気になることをしていきたいですね。私はレスリング教室を松戸で25年くらい開いているのですが、卒業生が2020年のオリンピックの強化選手になっています。娘もオリンピックアカデミーに入って強化選手になっています。運動をやってきたので、運動の楽しさも辛さも知っていますから、気持ちは複雑ですが、会社としてはスポーツも支えるようになっていきたいです。
KFC : これから起業する方たちへ、メッセージをお願いします
須崎社長 : 一番大事なのは「継続すること」で、「利益」は継続するために必要なものです。その目的と手段を間違えないこと。
次に、昨今の特徴でもありますがコンプライアンスを大事にすること。医療業界は特別慎重かもしれませんが、我々も顧問弁護士とは定期的に相談をしています。
自分だけが儲かるのではなく、自他共生の考えを大切にしています。これは永遠の課題ですが、お客様重視、従業員重視で、初めて「継続」につながるのではないでしょうか。
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